Moldex3D R16:樹脂トランスファー成形シミュレーションの高効率化

今日の樹脂トランスファー成形(RTM)および複合材料による製品の設計はますます複雑化しています。Moldex3Dは産業のニーズに対応するため、最新のR16バージョンによりRTMのワークフローを見直し、多くの機能を追加しました。

Moldex3D R16では、「プロジェクトウィザード」と「材料ウィザード」に複合レイヤー材料の属性を追加しました。これにより、材料の種類は同じでも配向が異なる複数のレイヤーに対し、ユーザーが材料特性を再設定する必要がなくなります。また、R15バージョンでは、複数レイヤーをもつ複雑なジオメトリを用いる場合に、複数レイヤーの特性設定時にソリッドメッシュのフレーム選択が困難でした。そこで、Moldex3D Mesh R16の設定フローでは、RTMモジュールのLS-PrePost設定ウィザードとしてRTMウィザードを追加しました。RTMウィザードにより、複合レイヤーの材料特性を、メッシュ作成の初期段階で設定できます。また、よく使うメッシュツールはRTMウィザードの各タブに表示可能です。

さらに、R15では、繊維配向はベクトルに基づき定義する必要があったため、配向がデフォルト軸に平行でない場合には、三角関数を使ってレイアウト方向のベクトルを計算する必要がありました。R16バージョンでは、RTMウィザードに新たな方法を導入し、Base vectorと角度をどちらもユーザーが定義可能になりました。また、R15バージョンでは、事前に配向を設定し、その後プロジェクトに戻る際、ユーザーが設定を確認できないという問題が見られました。このため、R16バージョンでは複数レイヤーの配向機能の表示を追加しました。Moldex3D R16バージョンは、上述の機能強化によって、よりスムーズな設定フローを実現しました(Fig. 1)

Fig. 1  Moldex3D R16:RTMのワークフローの改良

以下、RTMの新たなワークフローを簡単に説明します。まず、RTMウィザードでメッシュ作成と配向設定を行い(Fig. 2)、メッシュと配向情報をプロジェクトにインポートします(Fig. 3)。プロジェクトの配向機能(Fig.4)を表示して、配向設定を確認します。続いて、「プロジェクトウィザード」の材料特性設定において、複数レイヤーの特性(Fig.5)を設定します。ユーザーは「モデル表示コンソール」で表示/非表示を切り替えて、各レイヤーをより明確に見ることが可能です。

Fig. 2  RTMウィザード:よく使うメッシュツールをプロセスタブに表示

Fig. 3  プロジェクトで各エリアの繊維配向を表示。表示色は指定できます。

Fig. 4  繊維配向の表示機能

Fig.5  プロジェクトウィザード:複数レイヤーの材料特性に対応

Fig. 6  複数レイヤーの表示/非表示

Moldex3D R16では、RTM解析のワークフローを大幅に改善しました。プリプロセスを効率化し、ユーザーに使いやすいワークフローを実現しました。これにより、解析作業の生産性が向上し、より多くの場面でRTM解析を活用できるようになりました。

 


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